読書感想文を書く前に・・・

 読書感想文を書く前に、まず何の目的でどうして読書感想文を書かなければならないのか考えてみましょう。

 皆さんにとって読書感想文は何の為にするものでしょうか。

 読んだ本を先生に紹介するため?

 本を読んだ事を証明するため?

 読んで面白かった事を伝えるため?

 読解力を身につけるため?

 実は、これらは全て読書感想文の真の目的ではありません。

 学校の先生達が読書感想文で知りたいのは、

 

 生徒に学ぶ力があるかどうか

 

 ということです。

 

 本を読んで、そこに書いてある事を知るだけでは学んだことにはなりません。

 本の内容を正しく読み解くだけでは学んだ事になりません。

 本の内容を自分の物に出来るのかどうか、物語から学ぶ力があるかどうかというところを先生達は見ているのです。

 

 例えばこのサイトには読書感想文の例として『桃太郎』で読書感想文を書いてみたものが掲載してあります。皆さんは『桃太郎』でどういう風に読書感想文を書くでしょうか?

 『桃太郎』は童話で文章量も少ないですから、どんなに正確に読解しようと「桃から生まれた桃太郎が鬼を退治する話」に他なりません。桃太郎が鬼を退治した事を知っても、「それで?」という具合になるだけですし、かといってこれは鬼を退治する指南書ではない訳で、直接実生活で自分の為になる情報が書いてある訳ではありません。では桃太郎から何が学べるのか、それは自身で考えていかなければなりません。学ぶという事は、教えてもらう事とは違います。小中高校生の皆さんは今、教科書を使って、先生に教えてもらって勉強をして、知識を身につけている事でしょう。でも社会に出たら教科書はありません。学校の先生程親切に教えてくれる人もいません。自分で学んで、自分を作っていくしかないのです。読書感想文とは、そういう「学ぶ」力を見せる場なのです。

 

 ですから読書感想文を書く際には是非、何を考え何を学んだのか、ということを思う存分アピールしてください。貴方の「学ぶ」ちからを先生達に見せつけてやりましょう!