ここでは読書感想文を書く際のポイント、制作のヒントを紹介します。

「書きたいことは決まっている」という方「自分で書き始めたんだけど・・・」と言い方は是非参考にしてください。又、ご相談も随時承っておりますので「メッセージ」よりご気軽にお申し付けください。

今回は昔話『桃太郎』を例にして原稿用紙5枚の読書感想文を書く場合を考えていきます。

 

手順①「物語を読む。」

 漠然と読み始めるよりも目的を決めて読み始めた方が効率よく読むことができ、何度も読み直す手間を省くことが出来ます。ポイントは読みながら「ここなら自分が語れる!」と思うところをピックアップすることです。例えば「川に流れて来た見ず知らずの子供を育てるおじいさんおばあさんの優しさ。」とか「やられたらやり返せって言うけど、鬼退治は本当に必要だったの?」とかはどうでしょうか。漠然とした感想だとその後の文章が書きにくくなってしまいますので、ここでポイントを絞っておくことが必要です。読む途中で気になったポイントには付箋をつけたりしおりを挟んだりしてあとで見返せるようにしておきましょう。

 

手順②「書きたいことを決める。」

 読書感想文を書く上で大切なのは「感想ではなく意見を書く。」ということです。人のボキャブラリーというのは案外少ないものですから、どんな人でも単純に感想だけを書こうと思ったら原稿用紙は埋まらなくなってしまいます。実際に全国大会入賞者は自分の意見の方に重きを置いていて、読書感想文だと言われるまで読書感想文だと気付かれないようなものまで有ります。ですから今まで「原稿用紙が埋まらない(泣)」と困っていた人は、意見を書くようにするとぐっと上達します。読書感想文とは言いつつも、自分の言いたいこと(意見)を言う為に「本の内容」を引き合いに出すくらいの気分でいきましょう。ここでは「桃太郎が村人達の為に鬼退治をした。」ことを引き合いに出して「やられたらやり返せは正しいのか?」と言うことを論じていきたいと思います。

 

手順③「設計図を書く。」

 無計画に書き始めると予想外のところで文章が足りなくなってしまったり、逆に無駄なところに時間を費やしてしまったりしがちです。原稿用紙5枚(2000字)と言われると莫大な量な気がしますが一つ一つのテーマに絞って100字、200字を書くつもりで書くと意外に簡単にかけてしまいます。次に上げるのは原稿用紙5枚を書く場合のあくまで一例ですが、参考にしてください。

 A)問題提起(はじめに)・・・200〜300字

   B)本のあらすじ・・・・・・・200字程度

 C)本論(言いたいこと)・・・400〜800字

 D)本論の確証付け(体験)・・400〜800字

 E)まとめ・・・・・・・・・・200〜300字

 

手順④「書く」

 では手順③のA~Eに従って実際に書き始めてみましょう。時間があれば最初は本番用の原稿用紙ではない原稿用紙を使うといいと思います。実際の例については『読書感想文の一例』に書くので参考にしてください。

 まずAでは問題提起を書きます。どうしてそのこと(書きたいと思ったこと)に興味を持ったのか、どうしてそのこと(書きたいと思ったこと)がいえると思うのかを実体験や社会情勢をふまえながら書くとより分かりやすくなります。

 次にBで本のあらすじを書きます。ポイントは此処以外であらすじを書かないことです。あらすじをつらつら書き続けて何か起こった時にその感想を書くというスタイルはなかなか評価されにくく、簡単そうに見えて逆に時間がかかってしまう場合が有ります。又、読書感想文がクラスの代表になったりコンクールに出されることになったりした時には必ず先生や審査員もその本を読みますから、一度も読んだことがない人に本の内容がすべて伝わるように書く必要は有りません。本のあとがきや帯、後ろ表紙、売り文句などを参考にして簡潔に仕上げましょう。

 ここまで来ると次はいよいよC本論を書きます。自分が大切だと思うこと、言いたいことを熱く語ってください。恥ずかしがる必要は有りません。ここの部分ではこれが読書感想文であることを忘れて「大人達を論破してやる!」くらいの気持ちで意見文を書いてください。

 C本論を書く上で大切なのはD本論の確証付けです。つまりなぜCであることが言えるのかという証拠を示します。特に「実体験」を入れるとより説得力のある文章を書くことが出来ます。人によってはC・Dを書く順番が変わったりCとDが混ざったりするかと思いますが問題有りません。此処でも恥を捨てて自分の経験を赤裸々に告白しましょう。

 最期に書くのがEまとめです。今まで書いて来たことを簡潔にまとめてください。具体的には「自分が言いたいこと」をもう一度書くのがいいでしょう。ここで再び本の内容と少し絡めてもいいかもしれません。

 

手順⑤見直し・推敲・清書

 書き終わったら自分の書いた文章をもう一度読み直してみましょう。漢字の間違えや文体の不一致(「です・ます」、で書いてあるところと「だった・である」、で書いてあるところが有る)はありませんか?主語述語の不一致や意味の伝わりにくい文章はありませんか?本番用の原稿用紙でなければ赤で大胆に訂正を入れてしまったかまいません。最終チェックを終えたら清書をして完成です。お疲れさまでした。

 

 

 『読書感想文の一例』を掲載しておきますのでご覧ください。ただしコピペはお断りですのでご了承願います。